キツツキ類:増加している大型キツツキ
志賀高原,秩父,山中湖の調査地には,オオアカゲラ,アカゲラ,アオゲラ,コゲラが生息しています。コゲラは明確に識別できますが,ほかのキツツキ類は,アオゲラの「ピョー」という声を除けば,鳴き声もドラミングも,オオアカゲラっぽいとかは, 大まかにはわかるのですが ,完ぺきな自信はないので,コゲラ,大型キツツキの区分でまとめました。なお,各調査地での記録率は,コゲラには明確な傾向はなく,大型キツツキは秩父と山中湖で増加傾向にありました(図1)。大型キツツキの増加は,全国鳥類繫殖分布調査でも示されています( 植田 2023 )。 図1.大型キツツキ類の記録率の年変動 記録頻度の季節変化 コゲラも大型キツツキも4月は記録頻度が高く,その後,徐々に低下しました。大型キツツキは最後までその低下が続いたのに対し,コゲラは6月の下旬に頻度が再び高くなった点が異なっていました(図2)。断言はできませんが,この時期は3羽以上の声がしたり,巣立ちビナっぽい感じの声が混ざるなど家族群かな,と思われるコゲラがその頃に聞かれたので,そのために鳴くことが多くなり,記録が増えたのかもしれません。 図2.コゲラと大型キツツキの記録頻度の季節変化(2011-2026) 記録される時間帯 コゲラは日の出前後はほとんど記録されず,日の出後しばらくしてから,記録されることが増え,その後安定しました(志賀高原のみピークを付けた後減少)。それに対して,大型キツツキは日の出直後あたりをピークに,その後減少するなど,コゲラよりも早くから記録されました(図3)。 図3.コゲラと大型キツツキの記録頻度と日の出からの経過時間の関係 コゲラの記録にドラミングが占める割合は低く,全体では3.6%に過ぎませんでしたが,大型キツツキの記録にドラミングが占める割合は高く,日の出直後には70%を超えており,記録率と同様に,その後,低下していきました(図4)。コゲラのドラミングは, か弱い音 で,遠くまでは聞こえません。そのため,コゲラドラミングは聞き落としており,大型キツツキは記録できているなど,その特性の違いが,ある程度は記録頻度の時間変化に影響してしまっているかもしれません。 図4.記録にドラミングが占める割合の大型キツツキとコゲラの違い