ヤマドリ:聞き取り調査から見えた現状と生態
ヤマドリは埼玉県秩父の調査地で,おもに「 幌打ち 」とよばれる羽音により記録されました。 この場所はモニタリングサイト1000の調査地にもなっていて,ぼくは,2008年から2023年まで現地調査でこの場所に通っていましたが,幌打ちを聞くことはまれでした。聞き取り調査では多い年には72%の聞き取り日に幌打ちが聞かれたので,無人調査ならではの高い記録率なのかもしれません。なお,聞かれる頻度は多い年,少ない年と変動はありますが,2011年から26年にかけては,増えても減ってもいませんでした。 幌打ちが聞かれる時期 調査がはじまる4月から5月中旬までが幌打ちがよく聞かれる時期でした(図1)。4月の最初は少し頻度が落ちているものの,おそらくもっと早い春先から活発に幌打ちしているのだと思います。モニ1000の調査は5月中旬と6月上旬に実施しています。6月上旬に聞かれないのは,こうした季節変動を反映しているのだと思いますが,5月中旬に聞かれないのは,前述したように人がいると警戒するなどといったことがあるのかなと思います。 図1.70分間の聞き取り時間のうちヤマドリの幌打ちが記録された時間の季節変動 幌打ちが聞かれる時間帯 幌打ちは日の出前が一番高頻度で聞かれ,その後頻度は低下していきました(図2)。小鳥類のさえずりと同様に早朝が活発なようです。 図2.日の出からの経過時間とヤマドリの幌打ち頻度の関係