ツツドリ:カッコウ類で最も早く渡来
ツツドリはムシクイ類に托卵する鳥です(北海道ではウグイスにも托卵)。全国鳥類繁殖分布調査では,日本では北海道など北ほど多く生息しており,センダイムシクイやエゾムシクイも北海道に多いので,托卵相手の分布を考えるとその分布状況にも納得がいきます。ムシクイ類は本州では山に多いので,ツツドリも本州では山に生息する鳥のイメージが強く,聞き取り調査の調査地では,おもに志賀高原と秩父で記録され,湖畔の林にマイクが設置されている山中湖ではあまり記録されていませんでした。しかし最近,山中湖でも聞かれることも多くなってきています。山中湖ではセンダイムシクイの記録が増加傾向にあるので,それが影響しているのかもしれません。
さえずりの聞かれる時期
ツツドリは,カッコウ類の中では最も早く渡来する鳥で,早い年には4月中旬から特徴的な「ポポッ ポポッ」という声が聞かれます。本格的に聞かれるようになるのは秩父では4月下旬,志賀高原では5月に入ってからで,ジュウイチと同様,標高の高い志賀高原では遅いようです(図1)。それに応じて,さえずりが不活発になっていくのも志賀高原が遅いですが,これは,志賀高原の方が密度が高く,競い合っていつまでも鳴くといったことも影響しているのかもしれません。
図1.70分間の聞き取りでツツドリの声が記録された時間の季節変動(2011-2026)
さえずりの聞かれる時間帯
ツツドリのさえずり頻度は,日の出前後がピークで,その後,減少していきました(図2)。ほかのカッコウ類とは異なり,あまり暗いときに鳴いているイメージはなかったので,ちょっと意外な結果でした。
図3.日の出からの経過時間とツツドリの記録率との関係(2011-2026)。
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