ヒガラ・ヤマガラ・コガラ:種の特性や密度や標高がさえずり頻度に影響?
カラ類は標高や環境によって主要な生息種が異なります(植田・植村 2021)。シジュウカラは低標高の開けた林を主要な生息地にし,密度は低いものの,高標高の森林まで分布する最も分布の広い種です。ヤマガラは暖帯の森林を主要な生息地にしているため低標高の森の主要種になっていて,近年高標高の林まで分布を拡げています。志賀高原ではまだ定着していませんが,山中湖と秩父では定着していて,記録は増加傾向にあります(図1)。そしてヒガラとコガラは高標高の森に生息する種で,特にヒガラは標高の高い森では最優占種となる鳥です。こうした特性を反映して,カラ類のさえずりパターンには違いがありました。
図1.秩父と山中湖のヤマガラの記録頻度の変化
さえずりの季節変化
ヒガラは高頻度で,シーズンを通してよくさえずり,ヤマガラは最もさえずり頻度が低く,コガラは5月上中旬をピークにその後,さえずり頻度低くなるという違いがありました(図2)。そして,それぞれの種の調査地間の違いには,標高や密度が影響していそうなパターンが見られました。
ヒガラの4月上旬のさえずり頻度が志賀高原が秩父より低かったは,低温や積雪により繁殖開始時期がやや遅いのを反映していそうです。また,山中湖でほかの2か所より早い5月中旬にさえずり頻度が下がりましたが,密度が低いため,競い合ってさえずることが少なく,早めに不活発になっていくこと,そして,もしかすると,低標高のために早めに繁殖が一段落することが影響しているのかもしれません。
ヤマガラは山中湖では5月に入るとさえずり頻度が落ちました。これもヒガラの山中湖と同様に秩父よりも密度が低いため,競い合ってさえずることが少なく,早めに不活発になっていくこと,そして,もしかすると,低標高のために早めに繁殖が一段落することが影響しているのかもしれません。
コガラのさえずりが不活発になる時期が志賀高原の方が遅かったのも標高が影響しているのだと思われます。
図2.カラ類のさえずり頻度の季節変化(2011-2026)
さえずりの聞かれる時間帯
コガラは日の出時刻をピークにその後急激に低下,ヒガラは日の出しばらく後をピークに,その後は低下するものの,高頻度のまま推移し,ヤマガラは場所によって異なっていたものの,密度の高い秩父では日の出前がピークで,その後急激に低下するといった種による違いがありました(図3)。
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