キバシリ:春,早朝に聞かれる高い声のさえずり
キバシリは近年分布拡大が顕著な鳥の1つで,特に低標高へ分布を拡大しています(植田・植村 2021)。聞き取り調査の調査地では秩父で普通に記録されていますが,志賀高原や山中湖ではときどき記録されるのみで,現時点では増加傾向にはありませんでした。後述するように,早い時期にさえずらなくなり,また,そのさえずりもキクイタダキやミソサザイとの識別に迷うと何人もの人から聞くので,実際にはわかっている以上に広い範囲に生息しているのではないかと想像しています。
さえずり頻度の季節変化
キバシリもゴジュウカラと同様,早春にさえずりが聞かれる鳥で,2月に越冬期の鳥類相の調査に行くと,さえずりが聞くことがよくあります。そのため,ゴジュウカラと同様に,調査開始時をピークに低下するようなパターンかと思っていたのですが,それよりやや遅く,4月下旬まで高い頻度を維持するというパターンを示していました(図1)。そして,その後減少して,5月下旬にはほとんど聞かれなくなりました。
図1.秩父のキバシリのさえずり時期の季節変化(2011-2026)
さえずる時間帯
キバシリのさえずりは,日の出時刻をピークにその後,急激に低下しました(図2)。早朝に調査をしないと,地味で目立たない鳥ですし,記録できる確率は大きく下がりそうです。
図2.秩父のキバシリのさえずり頻度と日の出からの経過時間との関係
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